大豆抽出成分 ホスファチジルセリンの特徴

免研・オメガPSの配合成分について

ホスファチジルセリン - phosphatidylserine

ホスファチジルセリンは、人間の細胞膜を構成する主要なリン脂質の一種であり、特に脳に多く存在するため、「脳の栄養素」とも呼ばれています。脳機能の維持・向上や、ストレスの軽減、記憶力改善などの効果が期待されています。

脳の若返り、ストレス防止に

「認知障害」「発達障害」「うつ症状」などに効果が確認されているサプリメント ホスファチジルセリン、Phosphatidylserine、略称:PSを紹介。

 PSは脳に存在するリン脂質(レシチン)の一種で、脳にとってもエネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)の代謝を高め、脳を活発にすることが知られています。PSは脳神経細胞(ニューロン)の膜とニューロンがお互いに情報交換する突起をつくる栄養成分です。記憶、認識などの脳機能を維持しています。加齢によって不足する栄養成分であるため、ニューロンの退化・脱落により物忘れがひどくなる原因だといわれています。PSを摂取することで、高齢者にとっては脳を若返らせ記憶力を取り戻せたり、若者にとってはストレスに対応し、うつなどを防ぐ効果が様々な臨床報告で証明されています。

海外でのPS の研究と実績

PSは1950年代、欧米にて研究がスタートしました。PSが製品化したのは1995年、アメリカでした。1996年にはアメリカでヒットし、日本に届いたのは1997年でした。
2003年にはアメリカで、栄養表示教育法(NLEA)によって「PSは高齢者の認知症リスクを低減させる可能性がある」などの表示が可能になりました。
2013年には韓国で健康機能食品の基準告示として「PSは高齢者の認知力の低下をサポートします」などの表示が認められています

PSの臨床効果

ヒトに対するPSの主な臨床報告例は下記の通りです。

①アルツハイマー型認知症 300mg/日を投与で有効
②脳血管縮小型認知症 300mg/日を投与で有効
③加齢に伴う記憶力低下 300mg/日を投与で有効
④抑うつ症 300mg/日を投与で有効
⑤てんかん患者:発作の減少
⑥ストレス耐性 若者の運動時ストレスのコルチゾール 低下
⑦ホルモン分泌障害 甲状腺刺激ホルモン分泌リズム 回復
⑧体内時計(サーカディアン・リズム)の異常を修復
⑨甲状腺ホルモン分泌リズムの正常化。

PS の臨床効果に提案された作業仮説

 PSが臨床で効果があるという作業仮説は以下のように考えられています。

①脳内アセチルコリンの増加(記憶障害モデルの回復)
②脂質過酸化反応の抑制 (細胞フリーラジカル障害の軽減)
③神経細胞の形態維持(神経伝達効率の改善)
④タウタンパク質の異常なリン酸化の重合抑制 (認知症改善の効果)
⑤生体膜機能の向上(神経伝達物質の開口放出改善)
⑥アポトーシスの抑制
⑦細胞内情報伝達系の改善
⑧ホルモン分泌の改善

脳のリン脂質の中でもとくにPS の投与が有効

 大脳の乾燥重量の50%はリン脂質(レシチン)です。
リン脂質は水と油を混じり合わせる作用があります。
脳の神経細胞を構成するリン脂質の割合は以下の通りです。

*ホスファチジルコリン・・・・・・・・・・32%
*ホスファチジルエタノールアミン・・・・ 30%
*ホスファチジルセリン(PS)・・・・・・・14%
*ホスファチジルイノシトール・・・・・・・3%

このリン脂質の研究はヨーロッパで始まりました。当初、神経細胞膜を構成する最も多い2成分から実験(脳の働き)が開始されましたが、その効果は思ったほどではありませんでした。
次に量的にそれほど多くないPS(ホスファチジルセリン)を与えたところ、脳の機能改善にたいへん有効であることがわかってきました。うつ病、パーキンソン病、認知症に対する効果が報告されました。

Phosphatidylserine(PS)の臨床試験

1.急性毒性試験( TRACO-FIDIA社)
2.老人における認識力低下 :ホスファチジルセリン(PS と表示)投与による効果についてのプラセボとの比較による二重盲検多施設臨床試験
(T.Cenacchi,etal.:AgingClin. Exp. Res.1993;5,No. 2:123-133)
3.アルツハイマー病におけるPS: 多施設中央管理試験
(L. Amaducci.et al.:Psychopharmacology Bulletin 1988;24:130-134)
4.加齢起因性記憶力低下における PSの効果 (T.H.Crook, et al:Neurology1991;41:644-649)
5.アルツハイマー病におけるPSの脳グルコース代謝への効果
(P. Klinikhammer, et al.:Dementia1990;1:197-201)
6.脳代謝障害を伴ったパーキンソン病患者とPS-パイロット試験の結果
(Fuenfgeld,. Fuenfgeld,et al.:Clinical Trials Journal 1987;Vol. 24, No.1)
7.アルツハイマー性老年痴呆症を伴ったパーキンソン病患者でのPSによる二重盲検試験
(Fuenfgeld,E.W.,et al.Alzheimer's Disease and Related Disorders,pape 1235-1246)
8.初老期アルツハイマー型痴呆症への大脳皮質由来のリン脂質投与前後における脊髄液内のドーパミン及びセロトニンの代謝濃度
( J.Neurol.1980;224:53-58)
9.アルツハイマー病における PSの効果
(T. H. Crook, et al.:PsychopharmacologyBulletin 1992;Vol. 28, No.1)
10.抑うつ障害のある老齢患者におけるPSの効果
(M.Maggioni, et al.:Acta Psychiatr.Scand.1990;81: 265-270)
11.健康な男性へのPSの長期投与視床下部-脳下垂体- 副腎軸のストレスで誘発された活性上昇の抑制
(M. Maj. Monteleone, et al. European L.Clin.Pharmcol 1992;41:385-388)
12.ヒトでの肉体的ストレスによる神経内分泌反応に対する PSの効果
(M.Monteleone, et al,:Neuroendocrinology1990;52: 243-248)
13.老年性脳機能低下のある患者でのPSについての二重盲検比較試験
(G.Palmieri, et al.:Clinical Trials Journal 1987;Vol. 24,No.1:73-83)
14.老年性痴呆症患者におけるPSの無作為二重盲検比較試験
(P.J.Delwaide, et al., :Acta Neurol.Scand.1986;73:136-140)
15.老齢者における加齢起因性の記憶力低下及び気分に対する PSの効果
(J.Gindin, et al.,Geriatric Institute for Education and Research and Geriatrics,Kaplan Hospital, Rehovot,Israel)
16.生活力消失、血管性痴呆症又は軽度うつ性のある老齢患者におけるPSの神経内分泌及び行動上の効果 (M.Rabboni,et al.,Clinical TrialJournal 1990;27:230-240)
17.PS:健康な人における壮年ラットでの認識力増強:牛脳皮質 PSと卵黄 PS 及び大豆PSの比較
(A. Blokland, Nutrition 1999; 15:778-783)
18. 知的能力の低下した高齢患者における脳ホスファチジルセリンの施設臨床試験
(C.Villardita,et al.Clinical Trials Journal 1987 Vol.24 No.1 84-93
19. アルツハイマーにPSが有効
Nerozzi D, et al.La Clinica.Terapeutica 1987;120:399-404.
Nerozzi D, et al. Clinical Trials Journal 1989; 26:33-8.
Gindin j, et al.Geriatric Institute for Education and Research and Department of Geriatrics,
Kaplan Hospital, Rehovot,Israel;1995,10-25.
Masturzo P, et al.Chronobiologia 1990;17:267-74.
20.記憶力の改善
大阪市立大学大学院医学研究科長 福島昭治
大阪市立大学医学振興協会理事長 大谷 周造(委託研究)
21.老人性痴呆、脳血管痴呆の改善
医療法人中央会 尼崎中央病院医師 中村 勝人(委託研究)
22.アルツハイマー型痴呆症、脳血管性痴呆改善
アール・ミンデル著「サプリメントバイブル」(発行 同朋舎、発売 角川書店)
23. 脳年齢が12〜14年若返る
Parris M・kidd,PhD著「PS(Phosphatidylserine) NATURE'S BRAIN BOOSTER」Total Health Management Service No.1(2005)
24 .子供の注意欠陥多動性障害(ADHD)の症状に対するPSの効果
倉敷市立短期大学 保育臨床専攻科S. HIRAYAMA、Y.MASUDA、R.RABELER

 わが国では認知症患者は約242万人といわれています。介護保険認定者のうち在宅介護者の約10%、在施設では実に70%が認知症です(平成13年厚生労働省調査)。これまで認知症は適切な治療法がありませんでした。PSは朗報です。
倉敷市立短期大学 保育臨床専攻科の臨床試験では、発達障害の改善を確認しています。

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